道意新田小作争議
どいしんでんこさくそうぎ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
1935年(昭和10)2月~1936年5月。関係者は地主(大庄土地区画整理組合)と道意新田の小作人61人、関係面積は約300ha。1934年9月21日の室戸台風は大庄村に死者、家屋流失、農作物潰減などの被害を与えた。小作人がこの災害の復旧に全力をつくしつつあった時、地主は小作地を宅地化するため、土地区画整理組合を作り、小作地を取り上げようとした。道意新田小作人はただちに全農全国会議兵庫県連合会の支援を求め、浜新田・西新田の小作人と協力して村・県当局へ中止を要請したが受け入れられなかった。1936年5月12日、地主組合は突如、人夫百数十人をもって小作地を埋め立てようと乱入させた。小作人はこの挙を阻止しようとして流血の大乱闘となり、これを撃退した。西宮警察署は両者を呼び、地主が小作地の一部の補償として、10aにつき240円を小作人に支払う条件で争議は解決した。
参考文献
- 羽原正一「1930年代の尼崎の農民運動」『地域史研究』第3巻第1号 1973
- 『戦前尼崎の労農運動』 1979 尼崎労農旧友会