阪神高速道路大阪西宮線
はんしんこうそくどうろおおさかにしのみやせん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
国道43号上に建設された自動車専用高架道路。大阪市西区西本町~西宮市今津水波町14.3km、市内部分は6車線。1981年(昭和56)全線開通後、先に開通していた「神戸西宮線」とつながったことから、現在「大阪神戸線」と改称。この道路は「阪神地区の…交通渋滞の恒常化と事故の続発などが日常化」し、大阪・神戸「両市の都心部の交通マヒは破局に近い状態」(阪神高速道路公団三十年史)を解消するため、阪神高速道路公団(略称・公団)が計画・建設した。大阪西宮線は、1969年43号線上に建設計画が決定され、公団は1971年、西宮側から着工した。この工事に対し、以前から大気汚染と43号線の公害に苦しんでいた尼崎の43号線沿道の住民が「43号線公害対策尼崎連合会」(略称・連合会)を結成、公団などに反対を申し入れ、交渉を開始し、のち提訴した(国道43号線公害訴訟)。
この裁判では、高速道路の開通で「自動車が増え、公害被害が一層増大する」とする原告側と、この道路の開通で「43号線の交通量はへり、有効な公害対策となる」との被告側の争いであった。しかし結果は、43号線・高速道路合わせて、開通前13万余の車両が、1992年(平成4)には約19万台と増加した。しかも大型車がふえ、排ガス等による公害は、いまも深刻である。
1989年、阪神高速道路の全路線に路線番号がつけられ、神戸線は3号神戸線となった。
参考文献
- 『阪神高速道路公団三十年史』 1992
- 『阪神ハイウェイ』95号 1989